-zero-
第一夜:朧月夜

ガサッ、ガサッ…

キイィ…

扉を開けた。


「こ…ここは。」

病院内は、荒れていた。割れた窓ガラス…ボロボロに抜け落ちたゆか…血などで紅く染まった壁…周りには、いろんなモノが散らばってる…

俺は少しずつ、中に踏み込んでいく…

すると…
「う!うぅう////はぁ、はぁ…痛っ!」

俺はものすごい頭痛がはしった。

「うっ…お、俺わ…」

不意に、頭の中でむかしの記憶が過った。

「っ…俺…は、この病院に来た事が…あるのか…?」

そして俺は、懐中電灯で周りを照らす…

「…ん?なにか…光っている。」

俺は、そこの場所に走り、そっと手を伸ばした。

「こっ!これは!」

俺が手に取ったモノは、俺が3才のころ親父から貰った…ペンダントだった。

「何故…これがここに?」

『月夜。』

「っ⁉」

俺は名前を呼ばれ、後ろを振り向く。

「…嫌だ…なんなんだ。ここは…」


-俺の名前は、神入 月夜(カミイリ ツクヤ)。
21才。専門学校に通っている。
俺は、昔の記憶があまりない。
親父と母親は、俺の幼い時に他界して、俺は親戚の叔母さんと叔父さんに育ててもらった。
実際の所、母親と親父がどんな人かなんて、どうでもいい。
俺はただ、、、妹に会ってみたい。
俺には、妹もいたらしい。俺の2つ歳下。
でも、その妹も今は行方不明だ。

俺は、1人で育ち、1人で生きてきた。

だからこそ、俺にとって彼女は、居なくてはならない存在だったのに…。


「きっと…ここの病院で、彼女に会える。きっと…ちゃんと伝えたい。この気持ちを…」

俺は、病院の奥に少しずつ入っていった。。。




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