-zero-
ガチャガチャ、
「鍵が閉まっているのか?…鍵穴はどこにもないようだが。」
ふと扉の周りを見る。
「あっ…この貼り紙」
俺が目にとまった貼り紙は、この様な内容が書かれていた。
【役員の方へ:鍵穴が先日、何者かに壊された為にパスワードロック式の扉に変えた。なので、二回。管理室にてパスワードで扉を解除しなければならない。パスワードは…祭りのある日。神入病院 院長】
「二回管理室…祭りのある日…?」
俺は考えながら、階段を上がった。
「ここが…管理室。」
管理室の中は、いろんな書類やカルテが散乱していた。
たくさんあるカルテの中で、気になるカルテが目にとまった。
「神入 夜恵美…。」
【神入 夜恵美(カミイリ ヤエミ)。女。5才:精神的病気、幽幻投病。重度。かなり、危ない状況にある。幻覚を見たり、突然悲鳴を上げるなど、以前と増して病状は悪化している。薬をのませたり、色んな対処をしているが、最近はなすすべもない。】
俺はそのカルテを見つめた。
「夜恵美…。なぜか悲しくて懐かしい感じがする。」
カルテを机の上に置き、俺は立ち上がった。
「…よし。探索再開だ。」
俺はふと、周りを懐中電灯で照らし…
「あっ…」
俺はナースコールの下に、パネルをみつけた。
【暗証番号を押】
「…暗証番号ってなんだ?…祭りのある日って…」
『お兄ちゃん』
「っ!!」
俺は慌てて後ろを向く…
「誰も…いない?」
すると…
ドクンッ!
「うっ!また…かぁ…うぅっ!!」
俺は頭を抱え、その場にしゃがみこんだ。
そして…
『4/2。』
「....!!!!!」
『お祭りのひ』
「はっ!!はぁ、、はぁ、。くっ…四月二日。…今日じゃないか。…」
俺は立ち上がり、パスワードを
《0405》と押した。
するとランプが付いて、全扉ロック解除となった。
俺はふうと、ため息をつき、一回に降りた。