禁断の恋



今日もやってる
ちょっと夕暮れになってきた空の下で彼はボールをついていた。
彼がボールを放つとボールは、円を書いてゴールの中へ吸い込まれる様に入っていった。


「…入った!!」

私は、自分の事のように嬉しく思った。
彼を初めて見たのは、ちょうど1年前の事だ、私がまだ病院を退院して間もない頃、部屋の中だけの生活に嫌気がさしたとき窓の外が騒がしくなった。


『京汰!!いっけぇ〜決めろー!!』


『任しとけ!!いっけぇー!!』

『『おぉ〜!!ナイスシュート!!』』


ずっと閉めていたカーテンを開けて外を見ると、家の近くにある公園でバスケをしている少年達を見た。
コートに立つ彼らは、笑顔でとても楽しそうだった。人間はあんな楽しそうな顔が出来るんだとその時初めて思った。
これが、初めて彼を見た。




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