MY HEART
いままで生きてきて、見たことのないような、キレイな男の人だった。

「・・・・・・。」

「苦しいですか?」

私はコクリと頷く。

そしたら、男の人は大きな手で、私の薄い背中を摩ってくれた。

「あまり薬で解決しようとすると、体の抵抗力が落ちますから。」

私は、だんだん落ち着いてきた。

「良かったです。また何かあったら呼んでください。」

男の人は、立ち上がって部屋を出て行こうとした。

私・・・なんのためにあの赤いボタンを押したの???

『寂しいからだよ。』

あの冷静な¨私¨が核心を突いてくる。

そうだ。私、この部屋に誰かいて欲しいと思って・・・・・・

そう気付いた時・・・

私は、その男の人の白い服を掴んでいた。

男の人は、ビックリしたように振り向く。
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