MY HEART
「どうしましたか?また苦しくなってきましたか?」

「・・・・・・。」

違う。

『ここにいてください。』

それを伝えたいけど、廣野先生に言うときよりも、心臓がドキドキして・・・。

私が顔を真っ赤にして俯くと、男の人はクスッと笑って、

「どうされましたか?」

と、私と同じ目線でそう言った。

私はまた恐る恐る顔を上げてみると・・・

やっぱりキレイな顔が、私のすぐ目の前にあった。

すっごくキレイな肌に、切れ長で澄んだ瞳。清潔に短く切ってある黒い髪の毛に、高い鼻。

血色のいい唇は、三日月形。

私は再び真っ赤になって、フルフルと頭を横に振った。

そして、口パクで、

(ごめんなさい。ありがとうございました。)

と言って、冷たい布団に潜り込んだ。

「また何かあったら呼んでください。」

そういって、男の人は出て行った。

まだ心臓はドキドキ言ってて、熱い頬が冷たい布団を暖めていく。

なんだろう・・・コレ・・・。
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