MY HEART
・・・とは言っても、体調は一向に良くならないわけで。

また1人もんもんと負のオーラをだしている私。

元気にならなきゃ。

でも、廣野先生は忙しいからたまにしか来れないし。

病院に友達だっていないから誰も話す相手いないし。

親戚の人だって・・・みんな、私が母を殺したと思っているから、お見舞いなんて来てくれない。

・・・そういえば、私の入院費って誰が払ってるんだろう?

いまさらな、素朴な疑問が浮かんでくる。

・・・大人になったら・・・借金取りに追い回されるかも。

恐ろしい未来を想像してしまう。

いけないいけない。

でも・・・誰かがいてくれるだけで、なんとなく違うような気がする。





私は・・・この時初めて、ナースコールの赤いボタンを、恐る恐る押した。

これが、あなたとの出会いだったんだ。

そして、これが誰かに初めて甘えた日だったんだ。
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