ティータイム
純白テーブルクロス
幸せそうにしていた栞が急に考え込んだ。
「どうしたの?」
少し心配になって声をかけると
「うん…」
と、曖昧な返事をして立ち上がって庭の奥へと入って行った。
どうしたんだろうと思いながらも僕は追いかけず彼女の空になったティーカップに新しい紅茶を注いで戻って来るのを待った。
「んー…まだかな?」
もうそろそろ紅茶が飲みやすい温度に下がったはずだ。
名前を呼ぼうと彼女が入って行った方をむこうとした時、両手いっぱいに花を持って帰ってきた。
「真っ白なテーブルクロスじゃ、淋しいでしょ?」
そう言って色を純白の上に散らして満足そうに笑う。
彼女の笑顔が花みたいに可愛いと思ったのは僕だけの秘密。
(僕の心も君の魔法で色づいた)