ティータイム
お気に入りのティーポット
「そういえば、そのティーポット使ってくれてるんだね。」
栞の雰囲気に合うパステル調の水玉模様。
僕が彼女の誕生日に送ったものだ。
「せっかく幸斗がプレゼントしてくれたんだもん。使わなきゃ、勿体ないでしょ?」
僕のカップに紅茶を注ぎながら答える。
その顔は心なしか照れてるように思えた。
そんな彼女を見てると悩んで買った甲斐があったなと嬉しくなって、つい顔が綻んでしまう。
「どうしたの?急に笑いだして。何か良い事でもあった?」
「まぁね…。」
少し返事を濁らすと彼女は不思議そうな顔をしながらも
「私もあったよ。嬉しい事!」
と、あの花のような笑顔になった。
(私の嬉しい事)
(それは貴方の幸せそうな顔!)
(…秘密だけどね)