すっぴん
  時間は10:00


 研修の為、そらはミーティングルームに向かっていた。
 神田が作っていた資料を持って、右手にはスタバで買ったホットチョコレートを持っている。
 

 (男の子かな~)

 そんな事を考えながら、ミーティングルームのドアを開けた。


 「おはようございます!」


 ・・・元気な男の子だ。
 
 いくつくらいなのか・・・。若そうな男の子。


 「あっ おはようございます。
 今回の研修は会社の説明~仕事内容まで説明しますので、宜しく御願いします。」

 ドキドキしていたせいか、そらは笑顔も忘れていた。
 
 手元にある資料には、そらの目の前に座っている男の子の履歴書もあったが、
 確認するのを忘れていたので、聞いてみる事にした。

 「あの、おいくつですか??」

 いきなりの質問に男の子はビックリした様子だった。

 「あっ・・・。はい、23です」
 
 「あっ、若いんだ。でもうちそのくらいの年齢の人達が多いですよ。
 っていうか、普段からそんな格好なの??」

 シャツにパンツ姿。髪も黒い。・・肌の色も黒いけど、バイトの一日目にしては妙にしっかりした格好だなと思った。

 「いえ、普段は違います。一応一日目なのでちゃんとした格好にしようと・・」
 「しっかり考えてるんだね。えらいじゃん!!」

 23歳だからそのくらいは考えているのか、とそらは思ったが、初対面なのでとりあ えず褒めてみた。

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