すっぴん

 時間は12:10

 ミーティングルームから戻ると、みんなお昼に出ている為、ポツポツとしかフロアには人が居なかった。

 「おー!! お疲れ!!」

 声をかけてきたのは管理者の神田だ。

 「神田さん!終わりましたー!」
 2時間喋りっ放しだったそらは少しダルそうに神田に話しかけた。

 「どうだった?・・松山だっけ??どんな感じ?」
 「なんか良い子そうでしたよ。寝ないで真面目に聞いていたし。
 嵐とは違いますね!!」

 同じ歳だけあって比較対照しやすい。

 「そうかぁ~。ま、頑張ってもらわないとなぁ」

 そらは辺りを見回しながら神田の話を聞いていた。

 「神田さん、悠さん知りません??」

 「悠?こっちに今日来るの?」
 「はい、今日こっちに寄るって言ってましたよ。お昼行こうと思ってました。」

 「あっ、あそこにいるじゃん。」

 振り返ると、悠が居た。
 悠は、神田とそらの方に歩いてきた。
 黒のスーツ、社内だからかネクタイはしていない。白いシャツは何処のシャツだろうか?襟とカフスがかっこいい。

 「おはようございます。」

 神田に声をかける。

 「おはよう!お前らメシいくんだろ?早く行かないと時間なくなるよ?」

 そういって、そらと悠を急がせる。

 この時点で、時間は12:20  あと40分しかない。

 「やべっ!! そら、急ぐか!」
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