家にとめてください。

一章

急に

「先輩、家出しました。一週間でいいので泊めてください」
先輩、驚いただろうな。でも他に行くところがないから仕方がない。



それは数時間前のこと。
サークルが終わり10時30分頃に家につき、夕御飯食べ、課題と格闘して夜中になった。
私の母は厳しい人で、前々からごちゃごちゃと言っていたが気にしずにいた。
しかしついに「それだったらサークルいかなくていい」と言われた。
サークルは私にとって最近の生活のなかで唯一といっていいほど楽しめる活動だ。

学校ではなかなか友達がうまく作れず、自分から声をかけるのがめんどくさいとすら思ってしまう。

そんな私の中でもサークルは、たくさんの先輩や同級生と話ができる。
だから、私にとってとても大切なのだ。

そんなこともしらず母はいかなくていいと言った。
私にとってそれは侮辱であり、それが家を逃げ出す要因となった。


そして、母と父が寝ている間に一週間分の着替えと教科書を持ち家を出た。
今まで家でなんてしたことなかったから、どこに寝泊まりするかさえ決まってなかった。
そこで不意に思い出したのが宮瀬先輩だった。
家から遠くて学校には近い、あと一番話したことがある大学で仲良くなった人が彼だった。



何も考えずに先輩に電話した。