ちゆまど―世界は全て君のために―
旅立つ前の一服


(一)


「お嬢様、朝食の準備ができました」


「はい、今行きます」


扉の向こうからした声に返事をした。


豪華な一室、大きいシャンデリアが特徴的な部屋は私がいた診療所よりも広い。


さすがはラグナロク様のお城と言ったところか。


姿見の前で今回の服をチェックする。ラグナロク様がクローゼットにある服を着よ、と言ったから着てみたけど。


「私ってゴシックロリータ系が似合うのか……」


黒布でやけにチェーンがついたフリフリは、少し考えものだ。


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