ちゆまど―世界は全て君のために―
犬にカップというのも不思議だったのに、まさかのハチミツ全投入には驚いた。
「マンナカは甘党なんですか」
「ああ。こうでもしないと気に入らないらしい」
紅茶を飲むマンナカは犬ながらも上品だった。
液体が辺りに飛び散らないのは褒めるべきだろう。
「じゃあ、ロード。いただきますね」
姫様がプリンアラモードを食べる。食べた瞬間に幸せな顔をしていた。
クロスさんと言えば、もう既にチョコドームを完食していた。
「君は品格にかけるな」
「うっせ。残さず食べたんだから、感謝しろ」
そんな二人の会話を聞きながら、私はチョコドームに手をつけた。
フォークで一口台にカットすれば中は二層になっていた。スポンジと生チョコだろうか。