ちゆまど―世界は全て君のために―
食べてみれば美味しいったらありゃしない。
ほのかにブランデーの味もして飽きがこないだろう。
「そういえば、あの男はどうした」
「あ、シブリールさんは……部屋にいます」
「そうか。あれでも客人だからな、作っておいたから、部屋に戻るときにでも持っていってくれ」
「はい」
ロードさんもロードさんで優しい人だ。
喧嘩腰だったシブリールさんにも作ってくれるとは。
「ロード、ユーリさんもプリンを手作りするとか。独自のカラメルらしいですから、あとで食べてみたいです」
「ほう、興味深いな。レシピを教えてくれないか」
「あ、いいですよ。私もチョコドームのレシピ貰っていいですか」
「構わない」
レシピの交換を約束したとこで、ロードさんの指先に絆創膏が巻かれてあるのを見た。