ちゆまど―世界は全て君のために―


まさしく私と同じではないか。なのに、姫様は。


「いいえ、違いますよ。私が“再生”としたら、彼女は“再製”でしょうか」


同じ言葉に戸惑ってしまうも、姫様は全てを見透かしたように言う。


ラグナロク様と同じ目だ、見ているものがまるで違う。


「術を見て分かりました。彼女は紛れもない魔術師だ。それも見たところ、術者に近いね。本人は自覚がないみたいですが」


「えっと……」


「いずれは分かりますよ」


意味深な発言をして、姫様はプリンを食べる。


――見透かされた気持ちになったのは言うまでもない。


私が知らない、私がいるようで怖かった。


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