ちゆまど―世界は全て君のために―


改めて好きと言われたらドキドキした。

相手は変態、相手は変態と思ってごまかす。


「紅茶、貰ってきますか」


「いいよ。――それと、ユリウス。俺はもう後悔しないよ」

フォークを置く手を見る前に真剣な眼差しに目が行ってしまった。


「ユリウスと離れようとも、ううん、気づいたんだ。ユリウスはきっと俺を捨てたりしないって」


「捨てるって……」


「俺がユリウスと一心同体になった理由がそれなんだ。捨てられないように、いや、捨てても離れられないようにするために。

でもそれは、大きな間違いだって気付いた」


シブリールさんが私の心音でも聞くかのように顔を埋めた。


いきなりのことでびっくりしてしまうが、突き放せないなにかがあった。


< 137 / 237 >

この作品をシェア

pagetop