ちゆまど―世界は全て君のために―
改めて好きと言われたらドキドキした。
相手は変態、相手は変態と思ってごまかす。
「紅茶、貰ってきますか」
「いいよ。――それと、ユリウス。俺はもう後悔しないよ」
フォークを置く手を見る前に真剣な眼差しに目が行ってしまった。
「ユリウスと離れようとも、ううん、気づいたんだ。ユリウスはきっと俺を捨てたりしないって」
「捨てるって……」
「俺がユリウスと一心同体になった理由がそれなんだ。捨てられないように、いや、捨てても離れられないようにするために。
でもそれは、大きな間違いだって気付いた」
シブリールさんが私の心音でも聞くかのように顔を埋めた。
いきなりのことでびっくりしてしまうが、突き放せないなにかがあった。