ちゆまど―世界は全て君のために―
「ユリウスはきっと俺を捨てたりしない。優しいから。ずっとそばにいてくれるって。愛しているから君を信じられる」
「シブリールさん……」
「一心同体じゃなくても、そばにいさせて。せめてユリウスを守りたい。あの診療所で一緒に暮らしたい。ダメかな?」
「ダメでは……ありませんよ」
一人で切り盛りするより、男手があると何倍も助かるものだ。
第一、本音は。
「ありがとう、ユリウス」
彼を突き放せない。
こんなにも慕ってくれている彼を。
私は――