ちゆまど―世界は全て君のために―
「――、え」
意味が理解できなかった。
今までの自分を訂正させられたような気分を味わう。
「ユーリさん、あなたはね、時を味方につけている。昨日のロードの火傷は、“治った”ではなく“戻った”にすぎない。
あなたが治すさいに時の羅針盤が見えました。ですから」
「待て、羅針盤だと、俺にはそんなの」
「あなたも良い目をお持ちでしょうが、私とでは見据えているモノが違いすぎる。あなたは中身と表面上は得意そうですが、私は人の本質を見極められます」
「だが、時を操るなどと、神の諸行じゃないか」
「ええ、ですが、魔術とはそういうものでしょう。己がイメージを表に出すだけでも神の力、創作となんら変わりはない。ユーリさんの力はその延長戦上にあるにすぎない」