ちゆまど―世界は全て君のために―
シブリールさんが頷いたことで、姫様は満足そうな顔をした。
「安心しました。きっとあなたたちなら、やっていける。どこまでも歩くことができるでしょう。私にできるのはここまでです」
固い握手をしたあと、姫様が一歩下がった。
ああ、お別れかと胸が痛む。
「色々とお世話になりました」
「いえいえ、またいらしてください。――ラグナロクと一緒に。彼女もそろそろ寂しがっているようですから」
許しますということなんだろう、優しい姫様だ。
「ラグナロク様にも伝えますね。ありがとうございました」
姫様が手を振ってくれたとこで、“深緑の炎”を出した。
緑色の宝石に願う、帰りたいと。
シブリールさんが手を握ってくれた。
「さようなら、ユーリさん」
「さようなら、姫様」
そこで最後、世界は反転した。