ちゆまど―世界は全て君のために―


「余もこれ以上、あやつに嫌われたくはない」


「だから、ここに呼べないと……」


唯一、私たちを引き裂く人物に出会えないなんて。


「あ、では。ラグナロク様のお力で私がその人の世界に行くというのは」


「無理だ。あやつ、余の顔を見るのも嫌らしく、この前行ったさいに怒られ、ついシュブールの宝石を渡してしまったのだ」


「しゅ、しゅぶ?」


「縁切りの魔石だよ。召還者と召還物を会わせないための魔石。逆転したって、もう二度と会えなくなる呪いだ。宝石を壊さない限りね」


シブリールさんが教えてくれたことにはまだ首を捻る。


「その人に会うのは、私とシブリールさんですよ」


「移動手段はババアの力でだろう?縁切りの魔石は徹底的でね、縁切りした相手が二度と来れたり呼んだりできないよう、こちらとあちらを繋ぐ架け橋壊すんだ」


< 19 / 237 >

この作品をシェア

pagetop