ちゆまど―世界は全て君のために―
蚊男とBL疑惑と命の尊重
(一)
ラグナロク様に送られ、いや、転送だろうか。
とかくも、やっと現実に戻ってきたかのような気分になった。
雑木林。
木々と草が生い茂る緑な庭。
昼間の陽光が眩しい。やはり人間は太陽を浴びなければ。
「ここにCさんがいるわけですね」
「だれ、それ。もしかして男かいっ。俺以外の名前を口にするなんてひどいよ、ユリウス!」
「現段階、男か女かも分かりませんよ……。シブリールさんが知っている感じじゃないんですか」
ここに来た目的を思い出せと言えば。ああと彼は。
「来たくなかった……」
かなり嫌そうな顔をした。
「お友達ではないんですか?」
「ないね。ババアとあいつの召還物じゃなければ、殺したいぐらいだ」