ちゆまど―世界は全て君のために―
「シィィィィィィ――」
どこからともなく聞こえた叫び声。どんどんこちらに近づいているようで。
「――ちゃんっ!」
ドスンっとかなりあり得ない音が目の前で鳴った。
どこからともなく現れた人。シブリールさんに抱きつき――いや、突進した。
「わあ、シィちゃんだ。シィちゃん、シィちゃん、シィちゃん!」
倒れたシブリールさんの上に馬乗りになり、熱い抱擁をする……男性。
黒髪で、光沢がある黒コートを来ていた。首には獣の毛皮が巻いてある。
「久しぶりっ、元気だった?つうか、元気じゃないと困るんだよねぇ。だってシィちゃんは俺の大切な人だからーっ」
なぜか、シブリールさんの服を脱がせ始めた男性は。