ちゆまど―世界は全て君のために―
「早速、いただきます」
「いただくなっ」
シブリールさんの右ストレートが炸裂した。
よろめいた男性を突き放し、立ちながら自分の服を直す。
「ひ、ひどい、シィちゃん……。俺はただ、久々の再会だから、その、やっぱりいただきますしたいなぁって」
「気色が悪い!いいか、何度も言うが――って、ユリウス。なに、その冷たい目!」
「え、いや……。別にシブリールさんに男性の恋人がいようと……うん、気にしないゾ!」
「いやいやいや、あからさまに引いているよね!誤解だからっ、だから離れないで」
「シィちゃんったら、照れ屋なんだから。君の体液を食べさせてくれたじゃないかぁ」
「貴様はいちいち誤解を招く言い方をするな!ユリウス、違うからね。俺は君一筋だし、できるなら君の体液を食べたいほどに。そうだ、今ここで証明しよう!」