ちゆまど―世界は全て君のために―
全ての要素をぶち壊す汚点に制裁をくわえた。
俗にいうボディブロー。
見事にヒットした攻撃によろよろと後退した彼だったが、不自然にも止まった。
「くっ、日に日に攻撃力がましていくね。けど甘いな、俺たちは決して離れない」
「離れるために旅をしているのを忘れましたか?」
彼と私の間には呪縛があった。
彼は私の半径二メートルでしか行動できないという呪縛。
魔導師たる彼がやってみせた奇跡の術でありながら、はた迷惑この上ないストーカー術。
それを解呪するためにも旅して回るわけだが。
「にしても、アフロディーテでも十年はかかる術なんだよなぁ」