ちゆまど―世界は全て君のために―
「初めまして、俺、シュヴァルツって言うんだ。よろしく」
「私はユリウス・ステリウスです。ユーリと呼んでください」
握手をかわす。
ただ長い。一向に離そうとしないシュヴァルツさんを見れば、極上の笑顔で。
「君、美味しそうだね。ちょっと味見させて」
彼に殴られていた。
「き、さ、まー。ユリウスの手に触れるだけでなく、あまつさえ味見させろとは」
「痛いなー。だって美味しそうなんだものっ」
「黙れ!ユリウスの体とその内にあるもの全ては俺のものだ。現に俺はユリウスの――」
「恥ずかしいからやめろっ!」
足を踏む。
黙った彼を無視して、すみませんとシュヴァルツさんに謝った。