ちゆまど―世界は全て君のために―
「素直に言え。ケースバイケースだと。何かを求めるなら、こちらの要望を聞けと」
「やだなあ、まるでそれじゃ、俺がいじわるしているみたいじゃないか」
「現にそうだろう」
「ひっどー」
「シブリールさん、ここはシュヴァルツさんの頼みを聞きましょうよ。教えてもらうんですから」
「さすがユーリちゃんっ、話が早い!」
シュヴァルツさんが私の手を握り、ぶんぶん振る。
「いい子だなぁ、君は。気に入ったよ、かわいいし。これをあげよう」
首に巻かれていた毛皮を、私に巻く。
もふもふだった。
「俺との友好の証だよ」
「嬉しいです」
笑ってみせれば、ふと、シュヴァルツさんが目をこすった。ついでに欠伸まで。