ちゆまど―世界は全て君のために―
「シュヴァルツ、あまりユリウスを責めるな」
「シィちゃん甘すぎぃ。だいたいシィちゃんだって、俺派でしょ。先に手を出してきた奴――殴ってきた奴を殴り返しただけだ。もっと言えば、殴らなければ俺たちはなにもしない」
「……」
「確かさ、シィちゃんの言葉に。『殺す奴は殺される覚悟がなければならない』ってのがあったよね。こいつらは、きっとそんな覚悟があって――」
シュヴァルツさんの言葉が止まる。
強制的に止めたのだ。彼の頬をひっぱたいて。
「誰もが皆、死ぬのを覚悟していると思ったら大間違いです!」
「……」
「自分の命の尊重ですって?殴らなければ何もしないって?それは言い訳を作っているだけでしょうっ、重い命を壊すための言い訳にすぎない!」