ちゆまど―世界は全て君のために―
物知りな彼にへえと言っておく。
「あ、因みに私たちがいる村ってどこら辺ですか」
「ん、ここ」
「歩いたらどれぐらいかかるだろう……」
「三日ぐらいじゃないかなあ」
三日。でも、それで私たちの呪縛が解けるなら安いものだ。
うしっ、と気合いをいれる。
「分かりました、ありがとうございます」
「あー、待って待って。くれぐれも騎士団に見つからないようにね。シィちゃんも一応、ラグナロク一座だったんだから」
「平気ですよ。そのシブリールさんが私についているんですから」
ね、と賛同を求めたのに、意外そうな顔をされてしまった。
しかして、一度目をつむり、シブリールさんは。
「そうだね。ユリウスは必ず、俺が守るよ」
私の手を握る。