ちゆまど―世界は全て君のために―
ポチに女王様にお姫様
(一)
「ついたー」
真南に来た太陽の暑さにはあはあしながらも、ついつい万歳をしてしまう。
ライメント跡地。
家も道も全てが石で出来ている乾いた町だった。
「本当に誰もいませんね」
「いるとしたミイラぐらいでしょ」
冗談なんだか本気なんだか分からないことを言われながら、町を散策する。
石家は残っているも、中に家具はなく、遺跡みたいだった。
本当にこんなところに二号様という人がいるのか。
町を散策していれば。
「あ」
猫がいた。
ふわふわの真っ白い毛並をした可愛い猫だ。
猫もこちらに気づき、金色の目をくりくりさせている。
可愛いーと思い、近づけば、距離をあけられてしまった。