ちゆまど―世界は全て君のために―
「人間の男性は嫌ですわ。やることばかりを考えて、その点、お前は綺麗ですわよ、ポチ」
「はい、マスター」
女性の足元に片膝をついて、頭をあげない男性がいた。
鎖で繋がれており、繋ぐ先は女性の腕。
腕に無造作に巻かれた鎖はきつそうにも見えた。
「どうとろうが構わないさ。実際、俺はユリウスと一つになりたくて今もうずうずして――」
「物欲の塊を肯定しないっ」
飛び付く人をかわした。
人目もはばからず、自分の欲求を出さないでもらいたい。
「……。あなた、本当にあのシブリールですの」
「ふん、いくらお前に引いた目で見られようと俺のユリウスへの愛行動は自重を知らないさ」
「自重しろ……」