好きが言えなくて。
第一章
「うわぁー、
あの人かっこよくない?」
「背高いー!!」
私は、きゃらきゃらはしゃぐ
中学の友達の目先を辿った。
桜の季節。
廊下で、友達と騒いで話してる
一番目立つ黒髪の男子生徒。
高校の制服が、彼が大人ぽっくてスーツに見える。
「背でっか…、」
私はボソッと呟く。
「それがいいんじゃん!!
かっこいい!!
名前なんて言うんだろ?」
「あ、あの人知ってる。
宇野 愁汰(ウノシュウタ)。東中らしいよ。」
「へぇー…、」
私はのんきな声を出して答えた。