黒騎士-ブラックナイト-
彼は冷静に話をする。
「しかし、今はリィナ・ウルク王女の側近騎士を務めている。立場はあなたたちより上だ。その事は理解しておけ。」
「し、失礼しました!」
「間もなく王女がおいでにある。無礼のない態度で待て。」
「はっ!」
その場にいた全ての人間が返事をした。
カッカッカッ…
足音が近づいてきた。
「おはようございます、皆様。」
リィナが広場に着いた。
「おはようございます!」
「ありがとう、レイド。下がっていいわ。」
「はっ。」
レイドはヴァィの隣に立った。
リィナは前に立ち、向かいに受験者、彼らを囲むようにレイドや騎士たちが立った。
「これより、新規騎士試験を始める。総司令騎士・シュー、前へ。」
「はっ。」
長い金髪を揺らせて走り、シューはリィナの隣に立った。
「彼に重要事項を挙げてもらう。一度で聞き入れよ。」
「はっ!」
シューは声を張り上げて話を始めた。
「まず、私たち王国騎士、並びに国が欲しい騎士は、度胸があり、命を国のために捧げられる者に限る。それに似合った戦力を揃えた者を王国騎士として迎えよう。」