黒騎士-ブラックナイト-
シューは急いでリィナを抱え、名前を呼ぶ。
しかし、リィナは返事をせず、眠っている。
「なに、苦しみはしない。静かに死ぬさ。」
「リィナの毒を消せ!」
レイドの怒りは収まらない。
シャァァァアアア!!!
ヤマタノオロチが完成した。
「時間は3日だ。その間にオレ達の元へ帰るか、死を迎えるか―。」
「捕らえろ!!!」
ヤマタノオロチが勢いよくロイドを襲いかかる。
「帰って来るのなら、3日後、リヴェンの女神像に来い。」
ドッッッッ!!!!!!
ロイドの幻想の身体は跡形もなく消えた。
†
リィナは、すぐさま彼女の部屋に運ばれた。
苦しむ様子もなく、本当に眠っているだけのようだ。
「リィナ!リィナ!」
レイドは何度も名前を呼んだ。
しかし、目を覚まさない。
だが、息はしている。
大丈夫、まだ死んでいない。
「シュー、ヴァィ大臣!近くに優秀な医者か、回復魔法の優れた奴はいないのか!?」
「レイド様の回復魔法では……?」
「効かなかった……!」
レイドは悔やんだ。
護るって言ったのに……!!!