黒騎士-ブラックナイト-
城から離れ、リヴェンの真ん中を駆ける途中、街の光がなくなり、辺りは暗闇に包まれた。
魔力で光る魔法のアイテム、ランプを灯した。
馬を走らせながら、レイドは考え事をしていた。
双子の弟と名乗ったロイド。
自分は“異人”と呼ばれる人種だった。
リィナは知っていたのか……?
「……っ!」
背中に熱さと痛みがまだある。
「大丈夫か?」
「あぁ……なんともねぇよ。」
「そうか。」
ダダダダ……
2人は無言で馬を走らせる。
レイドはずっとリィナの無事と、ロイドのことを考えていた。
8年前に何があったんだ……?
双子だというのなら、なぜオレとロイドは離れたんだ……?
頭の中は、疑問でいっぱいだった。
何も返答はない。
解答は見つからない。
「レイド、待て!」
ぐっ!
ヒヒーーン!
フィルが馬を止めた。
あわせてレイドも止まる。
「なんだよ?」
「ここから先に、さっき言うた化け物が出る。」
「!」
人喰い化け物が現れる平原に着いたらしい。
今は真夜中の2時頃。
「奴は、土から現れる。気を付けろ。馬を喰われたら間に合わねぇ。」