黒騎士-ブラックナイト-
時間と暗闇
リヴェンへ続く平原をもう3時間は走った。
タイムリミットは30時間。
馬に疲れが見え始めた。
「一旦休憩させよう。こいつら、倒れちまうぜ。」
「そうだな。アクリス、降りれるか?」
レイドの後ろにアクリスは座っていた。
「えぇ、大丈夫ですわ。」
すとっ
アクリスは軽やかに馬から降りた。
3人はあらかじめ汲んできた水を一口飲んだ。
「ほら、喉が渇いただろ?」
フルルッ……
馬は一度顔を振り、レイドの手のひらに汲まれた水を飲んだ。
フィルも同じように、自分の馬に飲ませた。
「あと……どれくらいだ?」
「7時間はかかるでしょう。」
「間に合うか……?」
「多分。」
このまま順調に行けば、間に合うだろう。
しかし、何があるかはわからない。
とにかく急がなければ。
「行こう。」
2頭の馬がまた駆け出した。
†
リィナは今もなお、眠り続けている。
まだ呼吸はある。
死んではいない。
「リィナ様……どうか、目を覚ましてください……!」
フゥリは今にも泣きそうな顔をしている。