黒騎士-ブラックナイト-
幻聴と幻覚
ポウッ……
アクリスは光系(ライト)魔法で無数の光の球をつくり、浮かばせた。
「これは癒し系(リラックス)魔法と同じような魔法。自分達の気を保つための光です。しかし、あくまでも気の紛らわしでしかないのでご注意を……。」
「わかった。」
3人はただ光を見つめた。
辺りは果てしない暗闇。
すでに異空間へ飛ばされてしまっている。
魂はまだここにある。
クスクスッ……
「!?」
レイドは女の子の笑い声を聞いた。
「い……今のは!?」
「はぁ?何言ってんだ。」
「幻聴の現れかも知れませんわ。お気を確かに、冷静になるのです。」
「……。」
キャハハッ…
クスクスッ…
レイドは声が気になって仕方なかった。
なんだ……?この声、なんだか懐かしい……?
“レーイドッ♪遊びましょうっ!”
ドクンッ!!
「―――!!!」
スタッ…
レイドは立ち上がった。
「おい!レイド!!」
レイドは呆然として、暗闇の中を歩き出した。
「どこ行くんだ!?」
フィルはレイドの後を追おうとした。
「ダメです!行かれてはダメですわ!フィル王子も、後を追ってはダメです!」