黒騎士-ブラックナイト-
アクリスはフィルの左腕を掴んだ。
「捕らわれてしまいましたわ……。」
「!?」
「魂が連れていかれる前に、レイド様自身が振り切れないと助かる術は……!」
「だったら余計に後を……」
アクリスは半泣きになっていた。
「ここで後を追えば、アタシ達は全滅してしまいますわ……。」
「そんな……。」
「今はレイド様を信じるだけしかできませんわ。アタシ達は飲まれないように気を保たねば……。」
フィルはアクリスの言う通りに、ただ光を見つめた。
†
「リィナ……!」
“嬉しい。今日も遊びに来てくれたの?”
レイドの目の前には、花畑が広がり、その中心に少女が座っている。
少女の顔ははっきりみえない。
「リィナ……リィナなのか……?」
長い金髪が輝き、花をよりいっそう綺麗に見せていた。
“今日は何をして遊ぶ?鬼ごっこ?かくれんぼ?”
「リィナ……無事だったのか……?」
レイドは少女の前に座り込んだ。
“ねぇ……レイド。”
ポタッポタッ…
少女の目から血の涙が流れた。
「!!!?」