黒騎士-ブラックナイト-

男は至るところから血を流した。

「!?」

“8年前に私を殺した奴等の仲間であろう!!!”

この人はリィナの父さんなのか……!!?

レイドは直感でそう思った。

「や……やめてくれぇぇぇぇえええ!!!!!!!!」

ガラッ……

「うあぁぁぁぁああ……」

黒い足元が崩れ、レイドは暗闇の中へ落ちていった。

底のない暗闇を落ちて行く時、次々と幻覚がレイドを襲う。

“俺はバリックだ。早く、帰ってこいよ!”

“俺の名はローズ、よろしく♪”

“私はオルディン。貴様等を足止めする。”

幻覚は過去に出逢った“異人”たちを映し出した。

そして……

“オレはお前の双子の弟…ロイドだ。”

ドクンッ!!

「う……うあぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!」

レイドは絶叫した。

「オレは……“異人”なんかじゃねぇ……!!!こいつ等の仲間なんかじゃ……!!」

レイドは全てを認めたくなかった。

自分は“異人”ではなくただの人間で魔術師で……。

国を襲ったり、人を殺めたりなんか絶対にしてない……!!!

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