黒騎士-ブラックナイト-
2人の目の前に、レイドの後ろ姿があった。
右手には、光を失った剣が持たれていた。
「ま……まさか。」
「レイド!お前がやったのか!?」
レイドは振り向き、歯を見せて笑った。
その姿に2人は自然と笑った。
「さぁ……行こう!リィナが待ってる!」
3人は馬に乗り、ルーゼンを目指して駆け出した。
†
「私の魔法が弾かれた。」
オルディンはリヴェンの女神像の上で、空を見上げながら呟いた。
「レイドの力か?」
その呟きにロイドは質問した。
「やはり……レイドには“聖光魔法”の力が備わっていた。」
「生まれつきか?」
「そうではないだろう。おそらく、あれの力だ。」
オルディンは長い黒髪を手ぐしでといた。
「まぁ……心配いらねぇ。アイツは、絶対にオレ達の所に戻ってくるさ。」
「かなりの自信だな。」
「魔法で嘘はつけなくとも、他の方法で嘘はいくらでもつけるからな。」
「非道な奴だ。」
「ありがとうよ。」
ロイドはオルディンの肩を叩いた。
†
タイムリミットは25時間を切った。
しかし、まだリヴェンの地にたどり着けていない。