黒騎士-ブラックナイト-

レイドは淡々と喋り続けた。

「でも、リィナはこんなオレを家族と言ってそばに置いてくれてるんだ。“異人”だと知っていて。だから、もう迷わねぇ。」

レイドは左手に手綱を握り、右の拳を空に向けて掲げた。

「リィナを絶対に護る。無くした過去は必ず、自分で取り返す……!」

レイドは力強く言い放った。

その姿を後ろで見ていたフィルには、彼の姿がとても勇ましく見えた。

「期待しておりますわ。」

アクリスは笑った。



リィナはまだ眠っていた。

苦しむ様子もなく、ただ、すやすやと。

「この胸の鼓動がいつ止まるのか、考えただけで辛いです……。」

「大丈夫です。絶対にレイド様がお救いになられます。」

スーハの心配を消し去るように、フゥリは言った。

「リィナ様、必ず助かります。どうか、それまでは……。」

バンッッ!!!

部屋の扉が勢いよく開いた。

「!!」

「あぁ……!!」

扉の向こうに現れたのは……

「レイド様!!!」

レイド達は帰ってきた。

残り、19時間。

余裕で間に合った。

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