黒騎士-ブラックナイト-
レイドはそれを下から見た。
「帰って来たか。」
人影は下にゆっくり降りてきた。
人影は“異人”たちだった。
バリック、ローズ、オルディン、そしてロイド。
「待ってたぞ、レイド。」
「約束は守ってくれるだろうな?」
「あぁ。ちゃんと王女は助けるさ。」
レイドはロイドとの取り引きを承諾しようとしているのだった。
レイドが彼等について行けば、リィナを助ける条件。
もうこれしかなかったのだ。
「…………まんまと騙されやがって。」
ロイドはクスッと笑った。
「な……!」
何だって!?
そう言いたかった。
ドスッ!
「う゛っ……!」
オルディンはレイドのみぞおちを殴った。
「リィ……ナ…」
レイドは気を失った。
「よっぽど惚れてるんだね。」
「あー羨ましい。」
「…………。」
「情けない兄貴だ。」
オルディンはレイドを抱え、彼等は夜にきえていった。
†
パチッ!!
リィナは急に目を覚ました。
誰もが目を大きく開き、その姿に驚いた。
「リィナ様!!!」
一番にリィナの名を呼んだのはフゥリだった。