黒騎士-ブラックナイト-

「…………?」

リィナはただキョトンとしている。

「リィナ様!ご無事だったのですね!」

「え……無事も何も…私は眠らされただけよ?」

彼女の言葉は周囲を驚かされた。

「だってあの“異人”は確かに猛毒と……!」

「耳元で囁いたの。『これはただ眠らせるだけだ。』って……。」

「騙されたってことか!」

シューは一瞬にしてことの実態を理解した。

「レイド様が……!!」

シューは飛び出していった。

「なに……!?」

「リィナ様のこの眠りの原因は、毒だと“異人”は言ったのです。だから、レイド様とフィルは馬を走らし、解毒魔法の使える魔術師を探して……。しかし、リィナ様の容態はよくならず、レイド様は部屋を出てから戻られていないのです。」

フゥリが冷静に話す。

「レイドは何処へ……?」

「レイド様が“異人”たちの元へ戻れば、リィナ様の毒は消すと言う取り引きがあって……もしかすると……!」

「レイドは行ってしまったの!!?」

リィナは声を張り上げた。

「そんな……!みんなでレイドを探して!!!」

リィナはベッドから降りた。

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