黒騎士-ブラックナイト-
ロイドは不思議そうにレイドの顔を覗く。
「な……なんでだ?そんなこと絶対に許さねぇ!」
「当たり前だろうが。お前はこれからちゃんと“異人”として生きるんだよ。」
レイドは黙り込んだ。
「今までの“異人”として生きた記憶、すなわち過去は思い出させてやる。」
「それは自分で取り返す。」
「……そうか。」
ロイドは立ち上がり、小さな窓から空を見た。
「あぁ……そうだ。次に、リィナ王女のことだ。」
「!」
レイドはリィナの名前を聞いて大事なことを思い出した。
「リィナは……!約束通りに助けてくれたか!?」
「……くっ!あははは!!」
ロイドは噴き出して笑った。
「種明かししてやるよ。オレの翼に、人を殺す毒なんてない。」
「なんだって!?」
「かすればただの痺れ。集中的に刺せばただの眠り。」
「騙したのか!?」
レイドは目を見開いて驚愕した。
「あぁ。だから、オレに頼まなくても勝手に目覚めたさ。」
「じゃ……じゃあリィナは……?」
「今頃、城でレイドを探してるんじゃね?」
「…………。」