黒騎士-ブラックナイト-
レイドは少し安心した反面、怒りがあった。
「お前は魔法の情は読めるから、魔法で嘘はつけない。ただ、魔法以外の嘘はお前につける。」
「全て計算のうちだったってことか……。」
「あぁそうさ。お前は簡単に信じるからな。それが裏目に出たな。」
ロイドはバカにするように笑った。
レイドは、自分を見ているようで気持ちの悪い気分になった。
「……。」
「今すぐには消さねぇから安心しな。ちゃんと、飯食っとけよ。」
バタンッ…
ロイドは部屋を出ていった。
レイドはまたベッドに横になった。
「リィナ……。」
レイドは涙を流した。
†
リィナは、ロビーに置かれたままの水晶玉の破片を眺めていた。
何度も指で文字をたどって何度も読んだ。
「レイド……もう帰っては来てくれないの……?」
その問いかけに答えはなく、ただ、時間が過ぎるだけ。
その様子を見て、フゥリは胸が苦しくなっていた。
「あのままでは王女様は……。」
しかし、彼女にリィナを救える自信がなかった。
だから、何も話しかけれずにただ見るしかなかった。
そこに書かれているメッセージは次である。