黒騎士-ブラックナイト-
バリックは小さな窓から、狭い空を見た。
「レイド、お前は空を飛べることができるのも忘れたか?」
「お前たちには羽根がついてるな。オレが本当に“異人”であるなら、ついててもおかしくないのか?」
「いつか、放たれるさ。それに、背中に違和感を感じただろ?ロイドから聞いた。」
確かに、ロイドと初めて出会ったとき、レイドは背中に痛みが走り、いれずみがうごめいていた。
それは、翼が生える序章だったのか?
「レイド、バリック。」
ドアの向こう側から声がした。
レイドとよく似た声だ。
「ロイド、ちょうどいいところに。今、お前の話をしていたんだ。」
「は?オレの?」
「なぁ、レイドに外を見せてやってくれないか?」
ロイドは腕を組んで、ドアにもたれた。
「足枷を外せって?」
「いや、つけたままでいい。鎖で繋いだままでもいいから、外を見せてくれないか!?」
レイドはロイドに頼んだ。
「身動きを封じたままってことか?」
「あぁ。まだ枷と鎖は外してはくれないんだろう?」
この時に気づいたのだが、ロイドには左目の下に泣きホクロがあった。
それと、髪の流れでしか見分けがつかない。