黒騎士-ブラックナイト-
「はっ。」
シューは頭を下げ、部屋を出た。
再び扉は開き、女の人を先頭に何人もの人間が部屋に入った。
「リィナちゃんっ!!元気だったぁ?」
先頭の女の人が嬉しそうにリィナに抱きついた。
「私は元気でしたわ。ネルティ様はお変わりなくて?」
アルベルト共和国の頭領、ネルティとは、女の人だった。
背が高く、まだ若い。
丸くて大きな眼鏡をかけ、いつも髪を綺麗にポニーテールにしている。
「私も元気だったわよ!久々だわ〜幾つになったの?」
「18になりました。」
「まだ18だったの!?偉くしっかりしているからわからなかったわ。」
「ネルティ様こそ、お若いのに……。まぁ立ち話もなんですから、お座り下さい。」
リィナは椅子を引き、ネルティを座らせた。
「ありがとう。イルム、書記をお願い。他のみんなは外で待っててもらえるかしら?」
「かしこまりました。」
イルムと呼ばれた男は、ネルティの隣に座った。
そして、護衛としてついてきた者たちは外へ出ていった。
「シューは書記を。ヴァィ大臣は同席を願います。」
「承知しました。」