黒騎士-ブラックナイト-
ルーゼン・ウルク王国の王女・リィナと、総司令騎士・シュー、ヴァィ大臣。
アルベルト共和国の頭領・ネルティと、秘書のイルム。
5人での対談は始まった。
「先に新しい貿易の品物をお願いしたいの。」
「それは?」
イルムが一枚の紙を取り出した。
そこには貿易リストが書いてある。
「回復薬、調合の材料、それと……」
貿易する品物を次々と決め、その話で1時間つかった。
ルーゼンはアルベルトに、主に食料を頼み、アルベルトはルーゼンに、薬や魔術に関するものを頼んだ。
「……と、まぁこんなところでしょう。」
ネルティは眼鏡を外し、ハンカチでレンズを拭く。
「ところで。」
ネルティが話を変えた。
「リィナちゃんの側近騎士は姿を現さないの?」
「!」
ネルティはレイドの存在を知っていた。
「レイドは……私を守るために城を去りました。」
「……?どういうこと?」
リィナはレイドが城を去った経路を話した。
涙が溢れそうになったが、なんとか堪えた。
「…………そう。彼は帰ってしまったの。」
「記憶も戻らないまま……。」