黒騎士-ブラックナイト-

ルーゼン・ウルク王国の王女・リィナと、総司令騎士・シュー、ヴァィ大臣。

アルベルト共和国の頭領・ネルティと、秘書のイルム。

5人での対談は始まった。

「先に新しい貿易の品物をお願いしたいの。」

「それは?」

イルムが一枚の紙を取り出した。

そこには貿易リストが書いてある。

「回復薬、調合の材料、それと……」

貿易する品物を次々と決め、その話で1時間つかった。

ルーゼンはアルベルトに、主に食料を頼み、アルベルトはルーゼンに、薬や魔術に関するものを頼んだ。

「……と、まぁこんなところでしょう。」

ネルティは眼鏡を外し、ハンカチでレンズを拭く。

「ところで。」

ネルティが話を変えた。

「リィナちゃんの側近騎士は姿を現さないの?」

「!」

ネルティはレイドの存在を知っていた。

「レイドは……私を守るために城を去りました。」

「……?どういうこと?」

リィナはレイドが城を去った経路を話した。

涙が溢れそうになったが、なんとか堪えた。

「…………そう。彼は帰ってしまったの。」

「記憶も戻らないまま……。」

< 169 / 304 >

この作品をシェア

pagetop