黒騎士-ブラックナイト-
歴史と歴史
ネルティとの対談から1週間が経った。
その間に、アルベルトのイルムから文が来た。
パロより西の島国、テルコが、“異人”に襲撃され破滅した。
リィナは不安でいっぱいだった。
まさかレイドが……!?
レイドが“異人”としてやっていることなの……!?
誰か答えてほしい。
けれど、真実を知る者は誰1人いないのだ。
「シュー、私、書物倉庫にいるから何かあったら呼んでね。」
「かしこまりました。フィル、リィナ様に付き添って護衛をしろ。」
「は?なんで?」
「いつ“異人”に襲われるかわからないからな。」
「それもそうか。」
「ありがとう、フィル。」
2人は1階の奥にある書物倉庫に行った。
†
「あったぜ。」
フィルは、はしごに上り、上からリィナに話しかけた。
「よかったぁ!ありがとう。」
フィルは分厚い本を片手に、ゆっくりはしごから下りた。
「でも何で今更…。」
「何か手がかりになるかもしれない。読む価値はあるはずよ。」
リィナは本を受けとり、机に向かった。
フィルは手についたほこりを払って、リィナの隣に座った。