黒騎士-ブラックナイト-
城から出てきた、リィナの姿を見つけたヴァイは、安堵の表情を浮かばせた。
「王女様!ご無事でございましたか。」
「えぇ、レイドが城へ逃げるよう指示をくれたの。」
「それはよかったです。たった今……」
「詳しいことは後で。今は、試験を続けます。」
リィナは椅子の前に立った。
「皆さん、静粛に!」
その一言で広場は冷静さを取り戻した。
リィナは大きく息を吐く。
「今は試験を続けます。このような騒ぎはいつ起きてもおかしくないのです。こんな時こそ、平常心を持ち、冷静に。さぁ、審査がまだの方がいるはずです。続けなさい。」
「はっ!」
審査が再開された。
そして、夕方に全ての審査が終了した。
昼食を共にしたリィナたちは、城へ戻り、会議を始めた。
結果、35人中18名が合格した。
うち5名が魔術師、10名が剣士、3名が武道家。
そのことをリィナの口から知らせ、晴れて18人が王国騎士として迎えられた。
不合格した17人は、明日の朝、故郷に戻る。
こうして、騎士試験は終わった。