黒騎士-ブラックナイト-
ゆっくり沈む太陽が何だか切ない。
「せっかく取り返したのに、浮かない顔だな。」
「オルディン……か。」
オルディンの髪は、夕日のオレンジが映えていた。
「辛いか?」
「何がだよ。」
「レイドと王女を見て、自分を重ねているんじゃないのか?」
ロイドは勢いよく振り返った。
目を開き、驚き戸惑っている。
「『忘れた方が楽じゃない?』そう思っただろ?」
「…………!」
「なんなら消してやろうか?」
「ふざけんじゃねぇよ!お前に何がわかる!?オレの何が……!!」
「…………すまねぇ。ただ、目障りなだけだ。」
ロイドは一瞬、喉が詰まった。
目障り……だと?
「レイドと王女の姿を見て、お前は動揺している。それは、お前もレイドと同じ心情であったからだろう?バリックとローズは気付いてないだろうが、私には目に映るロイドが傷ついている。」
「……オルディン…。」
オルディンはまっすぐにロイドを見た。
一瞬も目をそらさずに。
「ロイド、私たちがレイドにしたことは、許されることではない。早くもその代償がお前に来ている。」